D40のキットレンズとしてリリースされたAF-S DX Zoom-Nikkor 18-55mm f/3.5-5.6G ED II、ニコンDXフォーマットで使うことが前提のレンズです。
拙宅では現在、このレンズをD80やD40で使っています。
両機ともニコンDXフォーマットのカメラです。
特にD80で使ったときは、キットレンズとは思えないくらいの切れ味鋭い描写をするので、特に使用頻度が増えています。
このレンズをFXフォーマットのカメラで使った場合、どのように写るかを検証してみました
共通撮影データ
各焦点距離での共通撮影データです。
- カメラ Nikon D810
- 三脚使用
- ピクチャーコントロール: [SD] スタンダード
- ホワイトバランス:晴天
- ISO 64
- 画像加工はリサイズとキャプションのみ
135フルサイズ(FXフォーマット)で撮影
24mmから55mm迄はケラレることなく使うことができました。
18mmで撮影
撮影ワイド端である18mmでは盛大にケラレが発生。
周辺画質も厳しいです。
フードは付けずに撮影。
23mmで撮影
23mm付近からはケラレがほぼ消失します。
ただ、掲載画像でも分かる通りF8.0に絞って撮影していますが、ケラレと見間違えるくらい周辺光量落ちが目立ちます。
安全を取って24mmからが撮影使用範囲かと。
ファインダー像の隅をよく確認して撮影することをお勧めします。
ヴィネットコントロールは自動でOFF(デフォルトでは適用されていない)でした。
24mmで撮影
ケラレが発生していないことが分かります。
F8.0に絞って撮影していますが、画像の隅の光量が落ち込んでいるのが分かります。
解放絞り値側の場合、被写体によっては光量落ちが目立つ可能性があります。
- 【参考】AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VRで撮影。
55mmで撮影
24mm以降、テレ端である55mm迄ケラレは発生しませんでした。
また、画像四隅の光量の落ち込みは分からないくらいになっています。
- 【参考】AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VRで撮影。55mm。
思ったより歪曲しているなぁ。
まとめ
AF-S DX Zoom-Nikkor 18-55mm f/3.5-5.6G ED IIがFXフォーマットでの撮影で予想以上に写ることが分かりました。
但し、撮影をして写ることと実用的かどうかは別問題です。
このレンズはDXフォーマット用に最適化されており、FXフォーマットでの使用は想定外です。
DXフォーマットでの撮影の場合、ファインダー内には撮像範囲が表示されるものの、その大きさはDXフォーマット機でのそれよりも小さいため、実用的ではありません。
(ライブビューでの撮影の場合、ファインダー像と違って撮像範囲がグロップされて全面表示されますが…。ミラーレス機については手元にないため分かりません)
あくまでもDXフォーマットでの撮影は、グロップ撮影的なものです。
ファインダー像ではこのように映し出されます。
ファインダー内の黒枠がDXフォーマットでの撮像範囲です。
(なんでこんなにファインダーにゴミがついているのだ… 🙁 )
以上のことから、広角レンズとしてAF-S DX Zoom-Nikkor 18-55mm f/3.5-5.6G ED IIをFXフォーマットで使う意義は殆ど無いと言えます。
また、クロップまでしてDXフォーマットのレンズをFXフォーマットで使う意義も殆ど無いと言えます。
DXフォーマットのレンズはFXフォーマットでの広角レンズの代用にはなり得ないです。
最近リリースされている標準ズームレンズのワイド端は24mmが多いので、FXフォーマット対応の標準ワイドレンズを使った方が無難です。